エージェント選びで失敗する典型は、(1)大手1社だけに登録して提案の幅を狭めてしまう、(2)ハイクラス志向なのに汎用型サービスで登録を済ませる、(3)忙しい時期にスカウト型を活用せず能動応募だけで疲弊する、の3つに集約される。本記事ではITエンジニア経験者が候補にしやすい6社を、求人量・得意領域・サポート設計・ペースの4軸で整理し、目的別の使い分けまで落とし込む。順位付けではなく「どの局面でどの組み合わせが機能しやすいか」に焦点を当てた比較記事である。

エージェント選びの4軸

IT転職エージェントは一見似て見えるが、サービス設計の思想は各社で異なる。比較するときは以下4軸を意識すると、候補を絞りやすい。

  • 求人量:保有求人の総数と、非公開求人の在庫。母集団の広さは選択肢の多さに直結する。
  • 特化度:ITエンジニア領域にどこまで専門化しているか。担当者の技術理解度にも表れる。
  • サポート領域:書類添削・模擬面接・年収交渉・入社後フォローのどこまで踏み込むか。
  • ペース:エージェント主導で動くのか、スカウト型で自分のペースで進めるのか。

この4軸を踏まえたうえで、本記事では6社を「ハイクラス志向」「IT特化の最大級」「求人量重視」「スカウト型」「ヘッドハンター型」「一気通貫伴走型」の観点で比較していく。

比較マトリクス

まずは6社を4軸で俯瞰する。各社とも公式に公表している数値・特徴をベースにしており、時点表記のある数字は公表時点のものである点に注意したい。

サービス タイプ 求人量の目安 強みの領域 ペース
TechGo IT特化・ハイクラス 求人10,000件以上(公式公表値) 年収交渉・ハイクラス志向 担当者伴走型
レバテックキャリア IT特化・大手 求人20,000件以上(2023年10月時点) 業界理解・バランス型 担当者伴走型
Geekly IT・WEB・ゲーム特化 募集中求人数30,000件(2024年1月時点) 求人量・一都三県+関西 担当者伴走型
レバテックダイレクト IT特化・スカウト型 企業スカウト中心 書類選考免除スカウト・マッチ率可視化 自分ペース
リクルートダイレクトスカウト ハイクラス・ヘッドハンター型 年収800万以上求人約28,000件(2020年5月時点) 業界横断・ヘッドハンター600名 自分ペース
キッカケエージェント ITエンジニア特化 非公表 専任アドバイザー一気通貫・伴走型 担当者伴走型
IT転職エージェント6社を求人量・得意領域・年収交渉力・サポート領域で比較したマトリクス表
6社の位置づけを4軸で俯瞰。タイプが重ならない組み合わせを選ぶと、併用効果が出やすい。

上記のとおり、求人量とサポート設計、ペースのどこに重みを置くかでフィットするサービスは変わる。単一の指標で優劣をつける種類の比較ではなく、自分の転職活動のフェーズに合わせて補完関係を組むのが現実的だ。

目的別の使い分け

ここからは、IT経験者に多い5つのシナリオごとに、組み合わせ候補を整理する。いずれも「どちらかが優れている」という話ではなく、役割の違う2社を同時に動かすイメージで読んでほしい。

年収UPを最優先したい → TechGo + レバテックキャリア

現職の評価に納得しておらず、次の転職で年収ベースを引き上げたい場合は、ハイクラス志向のTechGoと、IT特化型としての裾野が広いレバテックキャリアの併用が候補になる。TechGoは公式に年収交渉成功率100%・平均年収+138万円を掲げており、交渉前提の設計がされている。レバテックキャリアは求人20,000件以上(2023年10月時点)・年収アップ率80%(2021年11月〜2022年4月・自社実績)の実績があり、母集団の広さと市場相場の把握を支援してくれる。

とにかく多くの求人に触れたい → Geekly + レバテックキャリア

選択肢を最大化したいフェーズでは、Geeklyレバテックキャリアの組み合わせが相性が良い。Geeklyは募集中求人数30,000件(2024年1月時点)とIT・WEB・ゲーム業界に強く、特に一都三県+関西の案件に厚い。レバテックキャリアはエンジニア領域の横の広がりがあり、提案の切り口も異なる。重複が起きにくく、提案の幅を二重にかけられる組み合わせだ。

自分のペースでスカウトを待ちたい → レバテックダイレクト + リクルートダイレクトスカウト

現職が忙しく、能動応募に時間を割けない時期には、スカウト型を主軸にする選択肢がある。レバテックダイレクトは書類選考免除スカウト約93%(2023年7〜9月実績)、機械学習によるマッチ率の可視化などIT特化の強みがある。リクルートダイレクトスカウトはヘッドハンター600名・年収800万円以上の求人約28,000件(2020年5月時点)と業界横断のレンジの広さが魅力で、レジュメ登録のみで成果発生するため、登録コストが低い。

年収800万以上のハイクラス転職を狙う → TechGo + リクルートダイレクトスカウト

現年収が700万円台〜で、次は800万・1,000万ラインを狙いたいケースでは、交渉力のあるTechGoと、ハイクラス帯の求人を広く抱えるリクルートダイレクトスカウトの組み合わせが選択肢になる。前者は担当者による伴走で企業ごとの交渉を設計し、後者はヘッドハンター経由で業界横断の非公開ポジションへのルートを作る。能動応募と待ちの二刀流で、非公開求人のレンジを広げやすい。

きめ細やかな伴走を受けたい → キッカケエージェント(+ TechGo)

書類作成から面接対策、内定後の意思決定まで、同じ担当者に伴走してほしい場合はキッカケエージェントが候補になる。ITエンジニアに特化しており、専任アドバイザーが一気通貫で対応する体制を取っている(分業制ではない)。対象はエンジニア職務経験者(50歳未満)で、1世帯2回以上の利用はできない点は確認しておきたい。年収交渉の厚みを足したい場合は、TechGoを併用する選び方もある。

各社の特徴詳細

1. TechGo(株式会社MyVision)

ITエンジニア向けのハイクラス志向支援サービス。平均年収+138万円、年収交渉成功率100%、求人10,000件以上(いずれも公式公表値)を掲げ、模擬面接が回数無制限であるなど、少数精鋭で踏み込んだサポート設計になっている。現職の評価や年収に納得しきれておらず、次のオファーで待遇を底上げしたい経験者に向いたサービスだ。

TechGo公式サイトのファーストビュー。年収アップ金額 平均138万円、年収交渉成功率 100%と表示されている。
TechGo公式サイトより(2026年4月時点)

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2. レバテックキャリア(レバレジーズ株式会社)

IT特化型として最大級の規模を持つエージェント。求人20,000件以上(2023年10月時点)、登録者45万人以上(2023年7月時点)、年収アップ率80%(2021年11月〜2022年4月・自社実績)、初回提案内定率90%(2018年4月〜2019年9月実績)と、母集団と精度の両面を公表している。ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1(日本マーケティングリサーチ機構 2021年1月期)としての認知もあり、業界理解の深さとバランスが強み。

レバテックキャリア公式サイトのファーストビュー。求人数と情報量でIT転職の成功をサポートとの訴求が表示されている。
レバテックキャリア公式サイトより(2026年4月時点)

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3. Geekly(ギークリー)(株式会社ギークリー)

IT・WEB・ゲーム業界に特化した転職エージェントで、募集中求人数30,000件(2024年1月時点)と求人量の厚みが特徴。エグゼクティブ求人も扱い、年収700万以上の案件も多い。一都三県+関西エリアの求人に強みがあるため、該当エリアで次のキャリアを考える経験者は候補に入れておきたい。担当者伴走型のサポートで、書類・面接対策まで幅広く対応する。

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4. レバテックダイレクト(レバレジーズ株式会社)

IT特化のスカウト型サービス。書類選考免除スカウト約93%(2023年7〜9月実績)を公表しており、機械学習でのマッチ率可視化など、企業と候補者のマッチング精度を高める仕組みを取り入れている。現職が忙しくエージェント面談に時間を取りにくいフェーズで、プロフィールを整えたうえで待ちの選考動線を作りたい人に向く。

レバテックダイレクト公式サイトのファーストビュー。年収と勤務地だけで次のキャリアは決められないからというコピーが表示されている。
レバテックダイレクト公式サイトより(2026年4月時点)

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5. リクルートダイレクトスカウト(株式会社インディードリクルートパートナーズ)

ハイクラス向けのヘッドハンター型サービス。ヘッドハンター600名、年収800万円以上の求人約28,000件(2020年5月時点)と公表しており、業界横断の広がりが強み。レジュメ登録のみで成果発生する設計のため、まずは市場からどう見られるかを確認したい経験者にとって、登録コストが低い選択肢になる。ヘッドハンター経由の非公開ポジションへの露出も狙える。

リクルートダイレクトスカウト公式サイトのファーストビュー。カンタン、なのに期待以上のスカウトが届くというコピーが表示されている。
リクルートダイレクトスカウト公式サイトより(2026年4月時点)

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6. キッカケエージェント(株式会社キッカケクリエイション)

ITエンジニアに特化した転職エージェントで、専任アドバイザーが一気通貫で対応する体制が特徴。書類作成から面接対策、意思決定の壁打ちまで、同じ担当者が文脈を引き継いで伴走する設計で、分業制に起因する情報断絶が起こりにくい。対象はエンジニア職務経験者で50歳未満、1世帯2回以上の利用はできない点は事前に確認しておきたい。

キッカケエージェント公式サイトのファーストビュー。ITエンジニア一人ひとりの未来を大切にする転職エージェントというコピーが表示されている。
キッカケエージェント公式サイトより(2026年4月時点)

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併用戦略:2〜3社の同時登録で補完関係を作る

IT転職の実務では、タイプの異なる2〜3社に同時登録して走らせる動き方が一般的になっている。単一サービスだけでは、担当者の得手不得手・抱えている求人の偏り・自分との相性の問題を検証しきれないためだ。目安としては「担当者伴走型から1社」「スカウト型から1社」「ハイクラス志向から1社」といった組み方が、重複しづらく補完関係も作りやすい。

ただし、複数併用には注意点もある。

  • 重複応募の回避:同じ企業・同じポジションに複数エージェント経由で応募してしまうと、企業側でトラブルになり選考辞退につながるケースがある。応募前に企業名をエージェントへ共有し、被りを必ず確認する。
  • 個人情報管理:登録する各社で提出する職務経歴書・年収・希望条件は内容を揃えておく。バラバラだと選考時に齟齬が出る可能性がある。
  • スケジュール管理:面談・面接の日程調整を複数社で並行管理するため、カレンダーでの一元化を早めに行う。
  • 辞退・担当変更の作法:合わないと感じたら早めに辞退や担当変更を申し出る。無理に継続するほど転職活動全体のペースが崩れる。

まとめ

  • エージェント選びは順位ではなく役割の違い。求人量・特化度・サポート領域・ペースの4軸で整理する。
  • 年収UP志向ならTechGo+レバテックキャリア、求人量重視ならGeekly+レバテックキャリアが候補。
  • 忙しい時期はレバテックダイレクトやリクルートダイレクトスカウトなどスカウト型で待ちの動線を確保する。
  • 2〜3社の併用が実務的。重複応募と個人情報の整合性に気をつけつつ、担当者相性で絞り込む。

(本記事は一般的な市場情報をもとにした編集部の見解です。各サービスの最新情報は各社公式サイトをご確認ください)